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BtoB中小企業の「伝わる」ホームページの作り方|専門用語を避けるには?

あなたの会社のホームページ、せっかく作ったのに「専門的すぎて内容がよく分からない」「なんだか難しそうだ…」なんて言われたことはありませんか?

BtoB、特に中小企業のお客様にとって、ホームページはあなたの会社との初めての「出会いの場」になることが多いです。でも、そこに書かれている言葉が難しかったり、伝えたいことが整理されていなかったりすると、お客様はすぐに離れていってしまいます。

「何を載せたら良いか分からない…」
「情報が古いまま更新できていない…」
「見た目はキレイなのに問い合わせが来ない…」

もし、あなたがそんな悩みを抱えているなら、それはお客様にあなたの会社の「価値」や「魅力」が、残念ながらまだ十分に伝わっていないのかもしれません。

この記事では、「専門的すぎて伝わらない」という壁を乗り越え、BtoBのお客様に「なるほど!この会社にお願いしたい!」と思ってもらえるような、分かりやすいホームページコンテンツを作るための秘訣を、一つ一つ丁寧にお伝えしていきます。ホームページの知識があまりない方でも大丈夫。ぜひ最後まで読んで、あなたの会社のホームページを「伝わる」ホームページに変えるヒントを見つけてください。

目次

ターゲットの知識レベルを意識した言葉選びの重要性

なぜあなたの会社のホームページは「専門的すぎる」と言われるのか?

あなたは、あなたの会社の仕事やサービスについて、当然プロフェッショナルです。日々の業務の中で当たり前のように使っている専門用語や、業界ならではの常識がたくさんあることでしょう。

しかし、あなたのホームページを見に来るお客様は、必ずしもあなたの業界に詳しいわけではありません。お客様は、あなたの会社のサービスそのものの専門的な部分よりも、「それを使うことで自分の会社がどう良くなるのか?」「どんな悩みが解決できるのか?」といった、お客様自身のメリットに関心があります。

例えるなら、お医者さんが患者さんに病気の説明をするときに、専門用語ばかりで話しても伝わりませんよね。「この薬を飲むと、こういう理由で熱が下がりますよ」と、分かりやすい言葉で伝えるから患者さんは安心して治療を受けられます。

あなたのホームページも同じです。あなたが当たり前だと思っている専門用語や知識は、お客様にとっては初めて聞く言葉かもしれません。その「当たり前」のずれが、「専門的すぎる」「よく分からない」という印象を与えてしまう大きな原因の一つなのです。お客様は「分からないな」と感じた瞬間に、ホームページを見るのをやめてしまう可能性が高いのです。

「当たり前」が伝わらない?ターゲットの「常識」を知ることから始めよう

お客様があなたのホームページを見に来る目的は、「自分の会社の悩みや課題を解決できる情報はないかな?」「求めている商品やサービスはこれかな?」と探すためです。

あなたの会社にとっては「当たり前」の専門用語や知識でも、お客様がそれを知っているとは限りません。たとえば、あなたが普段使っている業界用語や、技術的な専門用語が、お客様にとっては初めて聞く言葉かもしれませんよね。

では、どうすればこの「当たり前」のずれをなくせるのでしょうか?

それは、「お客様の常識レベルを知る」ことから始まります。

あなたの会社のホームページを一番見に来てほしいお客様は、どんな人たちですか?

  • どんな業界で働いている?
  • どんな役職の人?
  • 普段、どんなことに困っている?
  • あなたの会社のサービスや商品について、どれくらいの知識がありそう?

このように、あなたの理想のお客様像を具体的に想像してみてください。そして、そのお客様が普段どんな言葉を使っているか、どんなことに興味があるかを考えてみましょう。

お客様の「常識」や「知識レベル」を理解することで、「この言葉はお客様には伝わらないな」「これくらいの前提知識があれば理解してもらえるかな」という判断ができるようになります。これが、分かりやすい言葉選びの第一歩になります。

誰にでもわかる言葉で伝える!メリットを具体的にイメージしてもらう工夫

お客様は、専門的な技術や機能そのものに興味があるのではなく、「それを使うことで自分たちの会社がどう良くなるか?」「どんなメリットがあるのか?」に一番関心があります。

だからこそ、あなたの会社のサービスや商品の「すごいところ」を説明する時も、専門用語を並べるのではなく、それがお客様にとってどんな「良いこと」につながるのかを、誰にでもわかる言葉で具体的に伝える必要があります。

例えば、

  • 「最新の〇〇技術を搭載しています」→ 「この技術を使うと、今まで3日かかっていた作業が、たった半日で終わるようになります。残業時間が減って、社員さんの負担も軽くなりますよ。」
  • 「システム連携によるシナジー効果が期待できます」→ 「今お使いのシステムと繋げることで、別々に入力していた情報が自動で共有されます。二度手間がなくなり、間違いも減らせますよ。」

このように、「難しそうな言葉」を「お客様が得られる具体的なメリット」に置き換えてみましょう。お客様は「へぇ、それならウチの会社のこういう問題が解決できそうだな!」「〇〇円のコスト削減になるなら魅力だな!」というように、自分ごととしてメリットをイメージしやすくなります。

数字を使って具体的に示すのも非常に効果的です。「〇〇%のコスト削減」「作業時間を△時間短縮」「顧客満足度が□□%向上」など、具体的な成果を示すことで、お客様はあなたの会社の価値をより現実的に捉えることができます。

〇〇な言葉遣いはNG!読む気をなくさせる残念な表現

せっかく良いサービスや商品を持っていても、ホームページの言葉遣いが原因でお客様に伝わらないのは本当にもったいないことです。ここでは、お客様が読む気をなくしてしまうような、避けるべき言葉遣いの例をいくつかご紹介します。

  • 専門用語の羅列: 前にも述べましたが、お客様が知らない専門用語ばかりだと、チンプンカンプンで読むのを諦めてしまいます。「業界では当たり前だから…」と思わず、お客様目線で言葉を選びましょう。
  • 抽象的すぎる表現: 「高品質なサービス」「最高のソリューション」「革新的なテクノロジー」など、聞こえは良いけれど具体的に何がすごいのか分からない言葉だけでは、お客様はイメージできません。「具体的にどう高品質なのか?」「何がどう革新的なのか?」を分かりやすく説明する必要があります。
  • 一方的なアピール: 会社の「すごいところ」ばかりを一方的にアピールするだけでは、お客様は「自分には関係ないな」と感じてしまいます。「お客様のこんな悩みを、私たちのこういう技術で解決できます」というように、常にお客様の視点を意識しましょう。
  • 権威的な表現: お客様を見下すような、上から目線に聞こえる言葉遣いはNGです。丁寧で分かりやすい言葉遣いを心がけ、お客様に寄り添う姿勢を示すことが大切です。

これらの「残念な表現」を使っていないか、あなたの会社のホームページを一度チェックしてみてください。少し言葉を変えるだけで、お客様への伝わり方が大きく変わるはずです。

図やイラスト、動画を活用して理解を助ける方法

あなたの会社のサービスや商品は、お客様のどんな悩みを解決できるのか、どんなメリットがあるのか。これを文字だけで伝えるのは、正直難しい場合が多いです。特に、少し複雑な仕組みだったり、具体的なイメージが湧きにくい内容だったりすると、お客様は途中で読むのをやめてしまうかもしれません。

そこで大きな助けになるのが、「文字以外の情報」です。つまり、図やイラスト、写真、そして動画といった視覚的な情報をうまく使うことです。これらは、お客様の理解をぐっと深め、あなたの会社の伝えたいことをより強力にサポートしてくれます。

文字だけでは伝わらない!視覚的に訴えることの力

私たちは、文字を読むよりも、目で見た情報の方が圧倒的に早く、そして直感的に理解できます。「百聞は一見に如かず」という言葉がある通り、どれだけ丁寧に言葉で説明しても、一枚の図や数秒の動画の方がすっと頭に入ってくる、という経験は誰にでもあるはずです。

特にBtoBのお客様は、日々の業務で忙しい方がほとんどです。ホームページに書かれた長文をじっくり読み込む時間はなかなか取れないかもしれません。そんな時、図やイラスト、写真や動画が適切に使われていると、お客様は知りたい情報を素早く見つけたり、サービスの概要を短時間で把握したりすることができます。

また、視覚的な情報は、お客様の感情にも訴えかけやすいという特徴があります。商品の使い方を説明する動画で実際に人が楽しそうに使っている様子を見たり、導入事例のお客様が笑顔でインタビューに答えている姿を見たりすると、「自分たちの会社でもこうなりたいな」という気持ちが湧きやすくなります。

商品・サービスを図解してみよう!複雑な仕組みもスッキリ整理

あなたの会社の商品やサービスに、少し複雑な仕組みや、いくつかのステップを踏む必要があるプロセスはありますか? これらを文字だけで説明しようとすると、どうしても長くなりがちですし、お客様は途中で混乱してしまうかもしれません。

そんな時は、ぜひ「図解」にチャレンジしてみてください。

例えば、

  • あなたのサービスの仕組みを、矢印や簡単なイラストを使ってステップごとに示す「フロー図」。
  • サービスを使うことでお客様の会社がどう変わるかを示す「ビフォーアフターのイラスト」。
  • 複数のプランや機能を比較検討しやすいように整理した「比較表」。

これらをホームページに掲載することで、お客様は複雑な内容でも全体像を掴みやすくなり、「なるほど、こういう流れで進むんだな」「この機能とこの機能にはこういう違いがあるのか」とスムーズに理解を進めることができます。難しい言葉を使わなくても、図やイラストそのものが説明の役割を果たしてくれるのです。パワーポイントなどで簡単に作ることもできますので、まずは試してみてはいかがでしょうか。

導入事例は写真や動画で!お客様の声がリアルに伝わる

ホームページの中でも、お客様が特に注目するコンテンツの一つに「導入事例」があります。「自分たちと同じような悩みを抱えた会社が、このサービスを使ってどうなったんだろう?」という、お客様の疑問に直接答えることができるからです。

この導入事例を、単なるテキスト(文章)だけでなく、写真や動画を加えて紹介することを強くお勧めします。

  • お客様の会社の写真: 実際にサービスが使われている現場や、インタビューに答えてくださった方の写真を載せることで、ぐっとリアリティが増します。「あ、この会社、ウチと似たような規模だな」というように、お客様が自分ごととして捉えやすくなります。
  • お客様のインタビュー動画: お客様の「生の声」は何よりも強力なメッセージです。サービス導入の決め手や、導入後の具体的な成果、率直な感想などを語っていただく動画を掲載することで、お客様は文字情報だけでは伝わらない「温度感」や「信頼感」を感じ取ることができます。「この人がこう言っているなら、きっと間違いないだろう」という安心感につながります。

写真や動画を使うことで、導入事例に「血」が通い、お客様にとってより魅力的で説得力のあるコンテンツになります。

専門的な内容は動画セミナーで!顔出しで信頼感アップ

あなたの会社のビジネスには、少し専門的な解説が必要な部分や、お客様にしっかりと時間を取って学んでほしい内容はありますか?そういった内容は、ブログ記事として文字だけで公開するよりも、動画コンテンツとして提供する方がお客様にとって分かりやすい場合があります。

例えば、「サービスのより詳しい使い方」「業界の最新動向に関する解説」「特定の課題解決のためのノウハウ」といった内容を、動画セミナー(ウェビナーなど)として提供することを考えてみましょう。

動画の良い点は、

  • 話し手の「顔が見える」こと: 声だけでなく、話し手の表情や声のトーンからも人柄や信頼感が伝わります。お客様はあなたの会社に対してより親近感を覚え、安心して情報を得ることができます。
  • 文字よりも多くの情報を伝えられる: 説明しながら画面を操作したり、資料を映したりと、文字だけでは難しい視覚的な説明も加えられます。
  • お客様のペースで見られる: 一度公開した動画は、お客様が好きな時間に、繰り返し見ることができます。重要な部分を何度も確認することも可能です。

難解な内容でも、動画で丁寧に解説することで、お客様は「なるほど!」と理解しやすくなります。文字を読むのが苦手なお客様にとっても、動画は非常にありがたい情報源となります。

専門用語は「言い換え」たり「注釈」をつけたりする工夫

どんな業界やサービスにも、どうしても使わざるを得ない専門用語は存在しますよね。お客様によっては、その専門用語を知っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ターゲットとしているお客様の多くがホームページのリテラシーが低く、あなたの会社の業界知識もあまりない、という前提に立つと、専門用語の扱いは非常に重要になります。

専門用語がそのまま説明なく使われていると、お客様は「この言葉の意味が分からないな…」と感じ、記事を読むのをやめてしまう可能性があります。まるで外国語の文章を読んでいるようなものです。

だからといって、専門用語をすべてなくすのが難しい場合もあります。そんな時は、伝え方を工夫することで、専門用語が出てきてもお客様がスムーズに理解できるようにすることができます。

避けて通れない専門用語…でも、そのまま載せていませんか?

あなたの会社のホームページには、どうしても使ってしまう専門用語があると思います。それは、あなたの会社のサービスや技術を正確に表現するために必要な言葉かもしれません。

しかし、その専門用語をお客様が知っているかどうか、立ち止まって考えたことはありますか?もし、その言葉の意味がお客様に伝わっていなかったら、その専門用語を含む文章全体の意味も伝わらなくなってしまいます。

「この言葉、どういう意味だろう…?」と感じたお客様は、わざわざその言葉を調べてまであなたのホームページを読み進めてくれるとは限りません。多くの場合、そこで読むのを諦めて、他の分かりやすいホームページを探しに行ってしまうでしょう。

お客様にホームページから離脱されてしまわないように、専門用語が出てきたときに、お客様が「分からない」で終わってしまわないような工夫が必要です。

「つまり、こういうことです」と分かりやすく「言い換え」る技術

専門用語を避けるのが難しい場合は、その言葉の意味を「言い換え」て説明するテクニックがとても有効です。お客様にとって身近な言葉や、より簡単な表現を使って「つまり、こういうことなんです」と補足してあげるイメージです。

これは、お客様が「聞いたことはあるけど、いまいちピンとこない」という専門用語や、まったく初めて聞く言葉が出てきたときに役立ちます。

例えば、あなたの会社で使っている専門用語がもし以下のようなものだとしたら、お客様向けにどう言い換えられるか考えてみましょう。(※あなたの会社の専門用語に置き換えて考えてみてくださいね!)

  • 「ソリューション」 → 「お客様の困りごとを解決するための仕組みやサービス」
  • 「シナジー効果」 → 「AとB、二つのものが組み合わさることで、それぞれ単独でやるよりもっと大きな成果が出ること」
  • 「クラウド」 → 「インターネット上にデータを保管したり、色々な作業ができる場所」
  • 「イニシャルコストとランニングコスト」 → 「最初に一度だけかかる費用(初期費用)と、使い続けるのに毎月・毎年かかる費用(維持費用)」

このように、専門用語の直後にカッコ書きで簡単な説明を入れたり、「つまり」「言い換えれば」といった言葉を使って補足説明を加えたりすることで、お客様は本文の流れを止めずに意味を理解しやすくなります。比喩を使ったり、お客様の具体的な状況に置き換えたりするのも効果的です。

ちょっとした補足説明に便利!「注釈(ちゅうしゃく)」のスマートな使い方

文章の中にどうしても専門用語が出てきて、簡単な言い換えだけでは説明しきれない、でも長々と説明を入れると本文が読みにくくなる…そんな場合に便利なのが「注釈」です。

注釈とは、文章の途中で特定の言葉について補足的な説明を加えるためのものです。

ホームページの場合、

  • 専門用語の横に小さな文字で簡単な説明を入れる
  • 専門用語に下線を引いておき、そこにマウスカーソルを合わせると説明が表示されるようにする(専門的な知識が必要な場合もあります)
  • 文章の最後にまとめて「用語解説」として載せる(これは後述の用語集に近いですね)

といった方法が考えられます。

ただし、注釈が多すぎると、かえって画面がごちゃごちゃして見えにくくなってしまうこともあります。注釈を使うのは、本当に補足が必要な重要な専門用語に絞り、本文の流れを妨げないようにスマートに使うことが大切です。

用語集を作るのもあり!困ったときにすぐ調べられるように

もし、あなたの会社のサービスや業界に、お客様が知っておくべき重要な専門用語が複数ある場合は、ホームページ内に「用語集」のページを作るのも非常に有効な方法です。

用語集ページには、ホームページ内で使われている専門用語と、それぞれの簡単な説明をまとめて掲載しておきます。アルファベット順やカテゴリ別に整理しておくと、お客様が探しやすいでしょう。

こうすることで、お客様がホームページを読んでいて分からない言葉が出てきたときに、「あ、ここに用語集があるから調べてみよう」という形で、お客様自身で疑問を解消できるようになります。これはお客様にとって、とても親切な配慮になります。

お客様が「分からないな」と感じたままホームページから離れてしまうのを防ぎ、「ここを見れば知りたいことが分かるな」という安心感を提供することができます。用語集があることで、お客様のホームページ内での回遊率(色々なページを見てくれる割合)が上がる可能性もあります。

お客様が「自分ごと」として捉えられるストーリーの活用

これまでのセクションでは、分かりやすい言葉を選んだり、図や写真を使ったりして、情報の「伝わりやすさ」を高める方法についてお話ししました。これらの工夫はもちろん大切ですが、お客様に「なるほどね」で終わらず、「これはまさにウチの会社の悩みだ!」「この会社に相談してみようかな?」と、自分ごととして捉えてもらうためには、もう一歩踏み込んだ工夫が必要です。

それが、「ストーリー」の力を使うことです。人間は、昔から物語を聞くのが大好きです。ストーリーには、人の心を引きつけ、感情を動かし、「自分だったらどうだろう?」と考えさせる不思議な力があります。

あなたの会社のお客様は、どんな悩みを抱えていますか?

ストーリーを語り始める前に、改めて考えてみてほしいことがあります。それは、あなたの会社のサービスや商品を必要としているお客様が、今、どんな悩みや課題を抱えているのか?ということです。

  • もっと売上を伸ばしたいけど、どうすればいいか分からない…
  • 日々の業務が大変で、人手が足りない…
  • 今使っているシステムが古くて、使いにくい…
  • 新しいことにチャレンジしたいけど、リスクが怖い…

お客様が抱える悩みは、会社によって様々です。あなたの会社のサービスは、その中でも特に、どんなお客様の、どんな悩みを解決するためにあるのでしょうか?ここを明確にすることが、お客様に「これは自分のことだ!」と感じてもらうための出発点になります。

お客様の悩みにしっかりと寄り添い、「あなたの悩み、よく分かります」という姿勢を示すことが、お客様の心を開く第一歩です。

導入事例でお客様の「成功ストーリー」を見せよう!

お客様が「自分ごと」として捉えやすいストーリーの代表格が、「導入事例」です。ただし、単に「A社にシステムを導入しました。売上が〇〇%アップしました。」という事実だけを伝えるのは、少しもったいないかもしれません。

導入事例を、お客様の「成功ストーリー」として見せましょう。具体的には、次のような流れで語ってみてください。

  1. 【始まり:悩みや課題】 サービス導入前のお客様は、どんな悩みを抱えていましたか?どんなことに困っていましたか?(例:「Excelでの管理が大変で、いつも情報がバラバラだった…」)
  2. 【出会い:あなたの会社との出会い】 どうしてあなたの会社のことを知ったのですか?何を期待していましたか?(例:「何とか現状を変えたくて、インターネットで情報収集していた時に御社のホームページを見つけたんです。」)
  3. 【変化:サービスの導入】 サービスを導入する際、どんなことが大変でしたか?それをどう乗り越えましたか?(例:「新しいシステムに慣れるまでは少し時間がかかりましたが、担当の方が丁寧にサポートしてくれたので安心でした。」)
  4. 【結果:悩み解決・成功】 サービス導入後、お客様の会社はどう変わりましたか?どんな良い結果が得られましたか?(例:「情報が一元管理できるようになり、探す時間が激減しました!その分、お客様への対応に時間をかけられるようになって、売上も少しずつ伸びています。」)

このようなストーリー形式で導入事例を紹介すると、お客様は「あ、ウチの悩みと似ているな…」「この会社も同じようなことで困っていたのか…」「このサービスを使えば、ウチもこうなれるかもしれない!」というように、自分たちの状況と重ね合わせやすくなります。具体的なエピソードを交えることで、よりリアルに感じてもらえるでしょう。

創業秘話や開発ストーリーで共感を呼ぶ

お客様にあなたの会社のことをもっと深く知ってもらい、ファンになってもらうためには、会社の「ストーリー」を伝えることも有効です。

  • なぜ、あなたは今の事業を始めたのですか?
  • どんな想いを込めて、その商品やサービスを開発したのですか?
  • 事業を続ける中で、どんな困難に立ち向かい、どう乗り越えてきましたか?

こうした創業秘話や開発ストーリーには、あなたの会社の「人間味」や「理念」が詰まっています。技術的な優位性や機能だけを説明するのではなく、その背景にある人の想いや苦労、情熱を語ることで、お客様はあなたの会社に親近感を覚え、共感してくれます。

例えば、商品開発で何度も失敗を繰り返しながらも諦めずに完成させたエピソードや、お客様からの厳しい意見を真摯に受け止めて改善を続けた話などは、お客様にあなたの会社の誠実さや熱意を伝え、信頼を得ることにつながります。お客様は、単にサービスを利用するだけでなく、「この会社と一緒に成長していきたい」「この会社を応援したい」と感じるようになるかもしれません。

ストーリーは「感情」に訴えかける!分かりやすさ+αの効果

これまでに見てきたように、ストーリーには、単に情報を分かりやすく伝える以上の力があります。それは、読み手の「感情」に働きかける力です。

論理的に「このサービスは素晴らしいです」と説明されるよりも、「こういう悩みを抱えていたお客様が、このサービスを使ってこんなに喜んでくれました」というストーリーを聞く方が、私たちの心は動かされます。感動したり、共感したり、希望を感じたり…。

感情が動くと、人はその情報を記憶しやすくなります。そして、「この会社は私たちの気持ちを理解してくれる」「この会社となら良い関係が築けそうだ」というように、あなたの会社に対してポジティブな感情を抱くようになります。

分かりやすさはもちろん大切ですが、そこにストーリーという「感情のスパイス」を加えることで、お客様はあなたの会社のことを忘れられなくなり、他の会社ではなく「あなたにお願いしたい」という気持ちになりやすくなるのです。

おわりに:分かりやすさが信頼につながる

ここまで、「専門的すぎて伝わらない」という課題を解決するために、言葉選びの工夫、視覚情報の活用、専門用語への対応、そしてストーリーの力についてお話ししてきました。これらの工夫は、お客様にあなたの会社の情報や魅力を正しく、そしてスムーズに理解してもらうために非常に重要です。

しかし、これらの努力は、単に「情報を伝える」だけで終わりではありません。分かりやすいホームページを目指すことには、あなたの会社にとって、もっと大きな、そして非常に大切なメリットがあります。

分かりやすいホームページがもたらす最大のメリットとは?

お客様にとって「分かりやすい」ホームページは、それだけでお客様からの「信頼」を得ることに繋がります。

考えてみてください。難解な専門用語ばかりで何を言っているか分からないホームページと、専門的な内容でも一つ一つ丁寧に、お客様に寄り添うように解説してくれるホームページ。どちらの会社に「相談してみようかな」「任せてみようかな」と感じるでしょうか?

分かりやすいホームページは、お客様に対して「この会社は、私たちのことをきちんと理解しようとしてくれている」「お客様に分かりやすいように伝えようと努力している、誠実な会社だ」という印象を与えます。これは、ビジネスにおいて最も重要な「信頼」の獲得に直結します。

お客様からの信頼を得られれば、

  • ホームページを見ただけでの離脱が減り、問い合わせに繋がりやすくなる
  • 問い合わせの段階で、ある程度あなたの会社やサービスへの理解が進んでいるため、その後の商談がスムーズに進みやすい
  • 「この会社なら安心して任せられる」と感じてもらえるため、価格だけで比較されにくくなり、成約に繋がりやすくなる

といった、具体的なビジネス上のメリットが生まれます。つまり、分かりやすいホームページは、単なる情報発信ツールではなく、信頼を築き、ビジネスの成果を高めるための強力な「営業ツール」になるのです。

ホームページはあなたの会社の「顔」です

現代において、ホームページはあなたの会社の「顔」とも言える存在です。お客様があなたの会社について知りたいと思ったとき、まず最初にアクセスするのがホームページであることがほとんどでしょう。

その会社の「顔」であるホームページが、専門的すぎて分かりにくかったり、情報が古かったりしたら、お客様はその会社のことをどう思うでしょうか?「もしかしたら、お客様のことよりも自分たちの都合を優先する会社なのかな…」「最新の情報も載せられないくらい、管理がずさんな会社なのかな…」と、ネガティブな印象を与えてしまうかもしれません。

逆に、お客様目線で分かりやすく丁寧に作られたホームページは、「この会社は、お客様のことを大切にしているんだな」「しっかり情報管理されている、信頼できる会社だな」というポジティブな印象を与えます。

ホームページは、あなたの会社の第一印象を決定づける、非常に重要な役割を担っています。お客様に良い第一印象を持ってもらうためにも、「会社の顔」であるホームページを分かりやすく整えることは、欠かせない取り組みなのです。

まずは小さな一歩から!できることから改善を始めよう

ここまで、分かりやすいBtoBコンテンツを作るための様々な秘訣をお伝えしてきました。もしかすると、「たくさんあって、どこから手をつければ良いか分からない…」と感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。

安心してください。何も一度にすべてを変える必要はありません。まずは、できることから、小さな一歩から始めてみましょう。

例えば、

  • お客様からの問い合わせが多いサービスについて、その説明文に難しい専門用語がないかチェックし、簡単な言葉に言い換えてみる。
  • 一番見てほしいトップページに、あなたの会社が「お客様のどんな悩みを解決できるのか」を、飾り言葉ではなく具体的な言葉で書いてみる。
  • 導入事例のページに、お客様の会社の写真や、もし可能であれば簡単な動画メッセージを加えてみる。
  • 会社の強みやサービスの流れを説明する部分に、簡単なイラストや図を一つ追加してみる。

といったことから始めるだけでも、お客様への伝わり方は確実に変わってきます。完璧を目指すよりも、まずは「お客様にもっと分かりやすく伝えたい」という気持ちを持って、できることから改善を始めてみてください。

その小さな一歩一歩が、お客様からの信頼を築き、あなたの会社のビジネスを成長させる大きな力になるはずです。

執筆・監修者

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